私は緑内障で、眼圧を下げるための目薬をずっと使っています。同じ緑内障の知人から「パソコン作業を長く続けると眼圧が上昇するらしい」と聞いたのですが、本当にそういうことがあるのでしょうか?
パソコン作業によって眼圧が上がることは、医学的に立証されていません。少なくとも日常生活で「〇〇をし過ぎました」ということがなければ問題ないと考えてください。
そうでしたか。
主治医は「目薬を忘れずにさす以外はごく普通の、健康的な日常生活を送っていれば大丈夫ですよ」と言っていたのに、こんな落とし穴があったのかと不安になりました。
コロナ禍で週3日はリモートワークとなり、自宅でパソコンに向かう時間が増えたんです。
主治医の先生がおっしゃるとおり、緑内障治療では目薬を規則正しく、毎日忘れずに点眼することがとても大切です。
眼圧については残念ながらまだ詳しく解明されていないことが多くて、たとえば「〇〇をすると眼圧が高まる」あるいは「〇〇をすると眼圧が抑えられる」といった、日常生活で眼圧をコントロールするような方法は見つかっていません。
ただ、パソコンの長時間の使用は、眼圧との関係は不明といえども、網膜や視神経の影響など目の健康のために気を付けてくださいね。
やはりパソコンは目によくありませんか?
パソコンが悪いというより、パソコンを見るときの目の使い方や環境設定などによって問題が生じることはあります。近い距離にあるパソコンやスマートフォンの画面をじっと見ていると、どうしてもまばたきの回数が減ってしまいます。まばたきが減ると目の表面の涙が蒸発して減り、ドライアイになりやすくなります。
疲れ目を感じたり、目の中がゴロゴロしたり重い感じがしたり、目の充血、まぶたの痙攣などが起きることはありませんか?
「目が乾燥しているな」と感じることはあります。
そういうときは目を閉じて、しばらく目を休ませるようにしています。
そうですね、最低限1時間ごとに10分の休憩を入れて、目を休ませてあげてください。目を閉じるとか、遠くの景色を眺めるのも効果的です。
「休憩だからスマホを見よう」では、目の休息になりませんから注意してくださいね。近業(近い距離のものを見る作業)という意味ではパソコンもスマホも同じで、目が緊張から解放されない状態が続いてしまうのです。
緑内障の目薬を使っている方の約50%がドライアイや充血などを自覚していますが、すでに乾燥している自覚があるなら、ドライアイの点眼も必要かもしれません。
パソコンもスマホもちゃんとまばたきをして、目に近い距離で凝視しないようにする、と。
はい。目から40~50cm離して、目線が少し下向きになるような位置で見ると目が疲れにくくなりますよ。また周囲が暗くて、モニター画面のほうが明るいような環境も目を疲れさせます。
リモートワークでご自宅でのパソコン作業が増えたのなら、見る距離と休憩時間、部屋の明るさ、それに乾燥を避けるエアコン設定などを考えて目を大事にしてください。
すでに乾燥している自覚があるなら、ドライアイの点眼が必要かもしれません。
緑内障の目薬を使っている方の約50%がドライアイや充血などを自覚していますが、ドライアイなどの目薬で眼圧が上がることはありません。
緑内障を目薬で治療している方は、パソコンとドライアイにも注意が必要ですね。
日常で参考になるアドバイスをどうもありがとうございました。

まとめ

長時間パソコンを使うと眼圧が高まる」という説には、まだ医学的な根拠がありません。緑内障治療のために眼圧を抑制するには、何よりも、眼科で処方された目薬を毎日忘れずに点眼することが大切です。

しかしパソコンを長時間にわたって使用すると、ドライアイを発症したり、目を疲れさせたりして健康を損なう可能性があります。その意味では「まばたきの回数を減らさない」「モニター画面は目から40~50cmの距離で、目線がやや下を向くような位置に」「1時間に10分間の休憩時間を入れて目を休ませる」などの工夫をして、目の健康を守るようにしましょう。

リモートワークの多い人は、さらに「室内の明るさ」「エアコンなどの空調設定」にもご注意を。