日帰りの緑内障手術を受けようと思っています。手術後は、何日目ぐらいから仕事に復帰することができますか?
緑内障の手術には、レーザー手術、極低侵襲緑内障手術(MIGS)、濾過手術の3種があります。レーザー手術ではほぼ制限はありません。
手術後の回復具合やお仕事の種類にもよりますが、デスクワークなど身体をあまり酷使しない職種なら手術の翌日から、運動量が多めの職種なら手術後1~3週間が目安になります。
重い荷物を運ぶ動作が入るお仕事、水に顔をつける可能性のあるお仕事なども一定期間は復帰を控えてください。
私はデスクワークが中心で、たまに商品の運搬を手伝うことがあります。
軽い台車を押す程度なら問題ないと思いますが、同僚の方に事情を話して、今回は代わっていただけると安心ですね。人間は身体に力を入れると、目にも力が入ります。
医師は「万が一、手術の切開部(手術創)が開いてしまったら」という危険性を考慮して「力仕事はしないでくださいね」と注意を促すのです。
万が一まで考えたリスクヘッジなんですね。
日帰りといえども手術を受けるのだから、主治医に言われたことは自分でも注意を払って協力したいと思います。
そう考えていただけると、治療する側としてもありがたいですね。以前は入院加療が必須だった緑内障手術が、眼科医学や治療機器が発達したおかげで、医療機関によっては日帰り手術も可能という時代になりました。
ひとりでも多くの方に現代ならではの安全・安心な緑内障手術を受けていただきたいですが、労力的にも費用的にも負担が少ない“日帰り”という形で受けられる代わりに、入院加療なら医師の管理のもとに行われる術後ケアの一部が患者さん自身に委ねられています。
たとえば目薬を医師の指示どおりに点眼する。手術の種類にもよりますが、手術の翌日・3日後・1週間後と決められた日に検査・診察を受けるといった術後ケアです。
ほかにも手術後の生活で、何か気をつけることはありますか?
手術後数日間は目に触らないようにすること、目に水が入らないようにすることが大切ですね。洗顔やシャンプー、入浴、運転、アルコール、スポーツなどは、それぞれ何日後くらいから再開してよいか原則となる日数があります。
私のクリニックのように術後1週間くらいまでのタイムスケジュールを作成し、手術を受ける患者さんにお渡ししている医療機関は多いと思います。
それをご覧になって、もし書かれていないことやわからない部分があれば、遠慮なく主治医にお尋ねになってみてください。

まとめ

私のクリニックでは何種類かの日帰り緑内障手術を行っていますが、いずれも、術後の回復状況に問題がなければ翌日からお仕事に復帰していただくことができます。
ただし、それはデスクワーク中心のお仕事の場合で、力仕事や水仕事が含まれる場合は復帰までにもう少し日数が必要です。
また、手術創が回復するスピードには個人差がありますから、医師は手術の翌日、3日後、1週間後…と検診を続けてその様子を確認します。
ですから原則の日数より長くなったり、逆に短くなったりするケースもあります。
術後ケアは、あなたの目をよりよくするために重要な期間ですので、必ず医師の指示に従って過ごすようにしましょう。