来月、緑内障と白内障を一度に治す「極低侵襲緑内障手術(MIGS)」を佐藤先生にしていただく者です。
早く手術してしまったほうがいいと納得しているつもりだったのですが、恥ずかしいことに、今ごろになって手術を受けること自体が怖くなってしまいました。
説明書にある「点眼薬による局所麻酔」というのは、痛みを感じることはありせんか?
緑内障と白内障の両方を抱えている方は非常に多いのですが、その麻酔はおっしゃるとおり、目薬状の麻酔薬で局所麻酔を行います。
これは手術の直前に目薬をさすだけで、手術中の痛みを感じなくなる即効性に優れた麻酔です。
注射針を刺すようなチクリとした痛みもありませんし、10~15分の手術中に効果が消えることもありませんので安心して受けていただけます。
でも局所麻酔ということは、手術中は眠っているわけではなく、意識がある状態なんですよね。
手術している部分の痛みは感じなくても、目やその周りに触れられている感覚ぐらいはあるのではないですか?
そうですね、目や周辺に触れられている感じは残ります。
たとえるなら、歯医者さんで麻酔をして治療を受けているときのような感触ですね。
歯医者さんの麻酔治療と同じような感触ですか。それなら心配することもない気がします。
では、手術の様子が自分で見えることはありませんか? メスのような器具が近づいてくるのが見えたらと思うと、とても怖いです。
手術は患部である目に照明をあてて行いますので、そのあたりをぼんやりと見ていただきます。
手術用顕微鏡という装置から発される光で目がくらんだような状態になりますので、器具や挿入物は見えません。
手術する目は開瞼器(かいけんき)という器具で開いたままの状態に固定していますので、うっかり目を閉じてしまうというようなこともありません。
キョロキョロしたり、両目とも目を強く閉じないことがポイントです。
音はどうですか? 歯医者さんでも金属の器具がカチャカチャ鳴る音が嫌いなのですが。
本当に臆病者で申し訳ありません(笑)。
大丈夫ですよ、「手術中の音が気になる」と言われる患者さんはたまにいらっしゃいます。
私も患者さんが緊張される様子が気になりましたので、さわやか麻酔という笑気麻酔で安心していただいたり、手術中に優しい雰囲気のBGMを流すようにしました。
ボリュームは大きすぎず、器具のカチャカチャ音が耳障りにならない程度で。
手術が終わって患者さんが「もう終わったんですか?」と驚かれると、「なにも違和感なく、快適に手術を受けていただけたかな」とホッとします。
いろいろ気を遣っていらっしゃるんですね。
心配だったことが解消できて、これでリラックスして手術を受けられます。

まとめ

ほとんどの患者さんは「手術」と聞いただけで身構えてしまうものです。
なかには手術前の血圧測定のときから緊張してしまったり、手術室に足を踏み入れるのをためらってしまう方もいらっしゃいます。
目を覆われ、自由に動けない状態で術者に身を任せることは、それだけで不安に駆られてるのも当然でしょう。
私のクリニックは「最先端の治療実績」「最新鋭の機器装置」ということばかり取り上げられがちですが、患者さんが緊張せずに、むしろ寛いでくださるような環境をつくることにもとても心を配っています。
「手術は痛くないのかしら」「途中で麻酔が切れることはないの?」「手術器具のカチャカチャ音が怖い」といった不安や疑問があれば、些細なことでも担当医やスタッフに伝えて解消させてください。